Aki’s Journey

LEGANZA代表 Akiが歩んだ道

イタリアから始まる旅:つながりとエレガンスが導く人生の本質

ヴェネツィアの運河に映る月明かりを見つめながらの会話、ナポリの路地裏に響く笑い声、トスカーナの夕陽に染まる葡萄畑での祝杯——イタリアの風景には、ただ美しいだけでなく、心を揺さぶる「エレガンス」と「深いつながり」が宿っています。その感覚に触れるたび、私は人生の豊かさと本質を問い直し、価値観を磨いてきました。

この「つながり」と「エレガンス」は、私の生き方の核となるもの。そして、この物語は、あなたの人生に新たな視点とインスピレーションをもたらす小さな旅になるかもしれません。

イタリアのメガヨットメーカーBenettiでの挑戦、ウクライナ人女性との国際結婚と別れ、そして「傾聴」と「つながり」の力との出会い。これらの経験を通じて探求し続けてきた「真に求める生き方」を、ここであなたと分かち合いたいと思います。

どうぞ、この旅に少しだけお付き合いください。

Buon Viaggio——新たな一歩のはじまりに。

目次

幼き日の映画から始まる、私とイタリアの物語

幼少期から始まったイタリアへの憧れ

私の「イタリア」との出会いは、幼い頃に遡ります。兄の影響で繰り返し観た映画『紅の豚』と『ゴッドファーザー』。子どもながらに、そこに描かれる世界に圧倒されました。

『紅の豚』では、地中海を舞台にした飛行艇レースや、常識にとらわれない自由な生き方、洗練された大人のユーモアを持つポルコ・ロッソの姿に憧れを抱きました。一方、『ゴッドファーザー』では、家族や忠誠というテーマとともに、シチリア的な美学が織り込まれた壮大な物語、そしてニーノ・ロータの音楽が醸し出す重厚な世界観に心を奪われました。これらの映画は、ただの娯楽を超え、私にとって「イタリア」という文化への入り口となったのです。

この漠然とした憧れが、やがて私の価値観を形作る基盤となっていきました。高校時代には、ヴェルディの『リゴレット』をはじめとするイタリアオペラに触れ、その圧倒的な響きと感情表現に心を揺さぶられました。音楽が感情そのものを伝える力を持つことを知り、私は「響きの世界」への探求心を抱くようになったのです。

大学時代に深まるイタリアとのつながり

大学時代、私はその憧れをより深めるために、18歳と19歳の夏に1ヶ月以上をかけてイタリア全土をホームステイで巡りました。トスカーナの静寂に包まれた丘、ナポリの熱気溢れる街並み、ヴェネツィアの運河に反射する柔らかな光、そしてバーリで味わったマンマの手料理——イタリアの一つ一つが私の感覚を研ぎ澄まし、人生に対する見方を広げてくれました。この旅で、私は「日常の中に宿るエレガンス」「人と人とのつながり」の価値を実感しました。

同じ大学時代には、イタリア映画にも深く傾倒しました。ルキーノ・ヴィスコンティの『山猫』、ヴィットーリオ・デ・シーカの『ひまわり』、フェデリコ・フェリーニの『道』や『青春群像』など、イタリア映画黄金期の作品を片っ端から観る日々。『山猫』のサリーナ公爵が纏う威厳、タンクレーディの若きエレガンス、『ひまわり』が映し出す人生の哀愁、そしてマルチェロ・マストロヤンニが体現するイタリア的洗練——それらはすべて、人生の悲哀と喜びを愛を持って見つめる視点を私に教えてくれました。

これらの体験の積み重ねは、私に「美しさとは何か」「豊かさとは何か」という問いを与えました。それは、単に物質的な成功や外見的な華やかさではなく、人と人との深いつながり、そして人生の細部に宿るエレガンスこそが、本当の価値であるという気づきです。

幼い頃に観た映画から始まったイタリアへの旅。そのすべてが、私の人生を形作る大きなピースとなり、今の私の核となっています。

夢の再発見:イタリアへの道を切り開く

安定を選んだ日々の中での葛藤

大学時代、その後もイタリアには何度か訪れました。しかし、就職活動の際には「夢を追う」よりも「安定した日常」を選び、「まったり過ごせる仕事」を優先しました。新卒での就職の後、私は東京都庁へ転職。行政の仕事に従事する中で、日々の業務に取り組む一方、自分の心の奥深くにある「疼き」だけは消えることがありませんでした。

イタリア文化との再会

その内なる声に向き合い始めたのは、イタリア商工会議所が主催するAperitivo della Cameraというイベントに通い始めた頃です。そこでは、イタリアのブランド関係者やイタリア文化を愛する人々が集い、イタリア語が飛び交う中で、文化やビジネス、そして人々の情熱が交わる空間が広がっていました。それはまるで東京にいながらイタリアそのものを味わえるような場所であり、私にとって心が自然とイタリアに引き寄せられる瞬間でもありました。

また、東京駐在の外国人たちが集うコミュニティにも足繁く通い、「本当は自分もこうした国際的な環境に身を置きたい」という想いが、次第に心の中で強く響き始めていました。

さらに、六本木ヒルズで開催されたItalia Amore Mioというイベントでは、ボランティアとして参加。一部では来日イタリア人アーティストの通訳としても活動し、イタリア文化を愛する来場者と触れ合う中で、自分のイタリア語が役立つことに喜びを感じました。この経験は、イタリアへの想いを再確認するきっかけとなるとともに、次の一歩を踏み出す自信へとつながりました。

人生を変えた出会いと決断

転機となったのは、東京都庁での海外出張です。現地で駐在する日本人たちと出会い、彼らの働き方や生き方を目の当たりにしたとき、心の中で明確な声が響きました。「あ、自分も海外に出るべきだ」と。それは、それまで見て見ぬふりをしてきた「本当にやりたいこと」に向き合う瞬間でした。

帰国後、私は行動を起こし始めました。海外転職エージェントに相談し、情報を集めながら、少しずつ未来への道筋を描いていきました。そんな中、偶然にも世界最高峰のメガヨットビルダーBenettiのCEO(当時)であるVincenzo Poerio氏や、スーパーヨットのメンテナンスとリフィット(改修)で知られるLusbenの社長Paolo Simoncini氏と出会う機会に恵まれました。

BenettiとVincenzo Poerio氏(当時CEO)

その場で、イタリア語での会話が活発に交わされました。話題は、富裕層が急増するアジア市場の可能性、彼らが手がけるプロダクトに宿る美と洗練、そして「Eccellenza Italiana(イタリアが誇る卓越性)」。彼らの言葉や情熱に触れる中で、私の中に眠っていた熱い想いが徐々に目を覚ましていくのを感じました。

すると、彼らからの「一緒に働いてみないか」という誘いがありました。目の前には、これまでの安定した仕事か、それとも未知の挑戦かという大きな選択が迫られていました。迷いもありましたが、私の心はその答えをすでに決めていたのかもしれません。決意を固めた私は、彼らに電話をかけ、翌日にはホテルで条件交渉を行いました。そして、ついにイタリア行きが正式に決まったのです。

その瞬間、私の胸には高揚感と覚悟が入り混じる、特別な感情が湧き上がりました。「夢を追う」という選択が、現実のものとなった瞬間でした。

Benettiでの挑戦:世界最高峰のエレガンスとスケールの中で

至高のブランド Benetti

イタリア行きを決意した私を迎えたのは、20年以上に渡り世界最大のスーパーヨット生産数を誇るAzimut|Benetti Groupの中核ブランドであり、世界最高峰のメガヨットビルダーBenettiでした。1873年に創業し、150年近い歴史を誇るこのブランドは、単なる造船ではなく、芸術とクラフトマンシップの結晶として、世界中の超富裕層(UHNW = Ultra High Net Worth)に愛されています。

Benettiの造船所に足を踏み入れた瞬間、私はその圧倒的なスケールとエレガンスに圧倒されました。一隻一隻が顧客の夢を形にするオーダーメイドの傑作であり、そこにはイタリアのクラフトマンシップと先進的なテクノロジーが完璧に融合していました。

Benetti勤務時代に制作された公式プロモーション動画

「海上の宮殿」メガヨット

スーパーヨットとメガヨットの違いを初めて実感したのもここでした。一般的にスーパーヨットは全長24メートル以上を指しますが、メガヨットはさらにそれを超え、時には100メートル以上のスケールを持つ究極のラグジュアリー空間です。Benettiでは、アーティストの手で磨き上げられるインテリア、そして最上級の素材を駆使したデザインによって、これらのヨットが単なる移動手段を超えた「海上の宮殿」として作り上げられます。

たとえば、ヨットのデッキには、厳選された最高品質のチーク材が使用されます。その選定基準は、木目の美しさや耐久性に加え、自然光の下での色合いや質感に至るまで、細心の注意を払います。このこだわりによって、デッキは時間が経つごとに深みを増し、唯一無二の存在感を放つのです。

さらに、船内には最高級のイタリアンレザーや職人によるカスタムメイドの家具が配置され、空間全体がラグジュアリーそのものの世界観を体現しています。装飾には、細部にまでこだわったガラス、大理石、金属の装飾が用いられ、ただの機能的な空間ではなく、アートとクラフトマンシップが融合した唯一無二の美的体験を提供しています。

セールス&マーケティングの中心で

私の役割は、スーパーヨット業界という超富裕層市場の中心で、セールス&マーケティングの多岐にわたる業務を担当することでした。その中でも特に重要だったのは、セールス資料の開発と整理整頓、超富裕層市場の分析や競合調査、プロダクトラインのマネジメント関連業務です。これらの業務を通じて、常に「世界最高峰」の基準が求められる環境で磨かれた経験は、今の私のキャリアの土台となっています。

その一環で訪れたアムステルダムでのThe SuperYacht Forumは、今でも鮮明に記憶に残る体験です。ヨット業界のリーダーたちが一堂に会するこの場では、新しい技術や市場動向が議論されるだけでなく、世界各地の超富裕層が求める未来のスーパーヨット体験を見つめる議論が交わされました。

しばらくたち、当時の営業トップからの「日本人ならテクノロジーに強いだろう?」という一言が、私のキャリアに新たなステージをもたらしました。この一言をきっかけに、私はCRM(顧客関係管理)マネジャーとして抜擢され、Salesforceの本格導入プロジェクトをリードする役割を担うことになったのです。

デジタルトランスフォーメーションへの挑戦

Salesforce導入プロジェクトでは、単にシステムを導入するだけではなく、従来属人的に進められていたヨット業界特有のセールスプロセスにデジタルトランスフォーメーション(DX)をもたらすという使命を負いました。データの移行、システムの最適化、グローバル営業チームへのツールの普及までを包括的に指揮し、業務効率の向上に大きく貢献しました。特に、データ分析を基に作成したカスタマイズされたダッシュボードは、経営陣やセールスチームに即時の意思決定を促すツールとして活用されました。

さらに、オンライン・オフラインのリード獲得プロセスを統合し、メールマーケティングや国際的なボートショーで得たリード情報をCRMに即座に取り込み、データドリブンな営業活動を支援しました。この取り組みを通じて、ヨット業界特有の顧客ニーズに応えるための精密なマーケティング戦略を展開しました。

インターナショナルな環境での成長

Benettiでの日々において、私を最も刺激し、成長させたのは、多国籍な同僚たちとの協働でした。イタリア人を中心に、イギリス人、トルコ人、スウェーデン人、ロシア人、中国人、アメリカ人など、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーとともに、「Eccellenza Italiana(イタリアが誇る卓越性)」というブランドの核心を世界に伝える日々は、まさに学びの連続でした。さらに、Benettiには日本人社員が私一人だけという環境が、文化的な多様性を吸収するための最高の土壌となりました。

この多文化的な環境での経験を通じて、私は各国の市場ニーズを深く理解し、その違いを調和させる力を磨くことができました。「イタリア的エレガンス」を軸としたセールス&マーケティング戦略を構築する中で、言語や文化の壁を越え、異なる価値観を尊重しながらチームと連携する術を学びました。このような日々は、私の視野をグローバルに広げるだけでなく、国際的な環境でのリーダーシップやコミュニケーション能力を大きく向上させました。

エレガンスとラグジュアリーの本質を学ぶ

Benettiでの経験は、私にとって「エレガンス」と「真のラグジュアリー」の本質を深く考える貴重な機会でもありました。単なる贅沢品を提供するのではなく、顧客のライフスタイルや夢を具体的に具現化すること。その実現には、細部への妥協のないこだわりと、情熱を注ぎ込む姿勢が不可欠であることを、身をもって学びました。ヨットのデザインや機能、そしてそのすべてのパーツが語る「物語」を通じて、顧客の人生そのものを豊かにする提案を行うという考え方は、私の価値観にも大きな影響を与えました。

私の核となったBenettiの経験

Benettiでの経験は、エレガンス、情熱、そして細部へのこだわりといった、現在の私を形作る基盤となりました。また、多国籍なチームで培った「つながりを築く力」や「個性を尊重しながら調和を生む力」は、私が現在行っているコーチングや関係構築のアプローチにも強く反映されています。相手の背景や価値観を理解し、その違いを尊重しながら深い信頼関係を築く力は、まさにこの経験を通じて育まれたものです。

イタリアでのスタートアップ挑戦:デジタル広告とウェブ運営の世界へ

COVID-19が猛威を振るう中、イタリアでは全国的なロックダウンが実施され、オフラインでの社会経済活動が停滞していました。しかし、そんな厳しい状況下でも、スーパーヨット業界は驚きの事態を見せていました。10億円以上もの価値があるスーパーヨットが、オンライン会議のみで購入されるという現実を目の当たりにし、私はデジタル分野の可能性に圧倒されました。

さらに、Google Analyticsやデジタル広告の指標がリアルタイムでアップデートされ、高速でPDCAサイクルを回すことができるこの分野に魅力を感じ、デジタルへの興味が一層深まりました。「もっとデジタル分野を学びたい」という強い想いが私を次の挑戦へと駆り立てたのです。

社員20名以下のスタートアップでの多岐にわたる経験

私は社員数20名以下のスタートアップ企業へ転職し、デジタル広告やウェブ媒体運営の世界に飛び込みました。この企業では、検索広告やSNS広告、ウェブサイトの運営、そして収益化のプロセスを360度の視点で学ぶことができました。

特に、100以上のウェブサイトを管理しながら、それぞれの収益化を担当したことは貴重な経験でした。一つのサイトだけでなく、多種多様なプロジェクトを手掛ける中で、データドリブンな戦略や収益モデルの構築に関する実践的なスキルを身につけることができました。また、社員数が少ないからこそ、幅広い業務を担当することが求められ、結果として多面的な知識と経験を得ることができたと感じています。

“Pausa”とチームビルディング:スタートアップならではのカルチャー

このスタートアップ企業のもう一つの特徴は、ユニークで「くつろぎ」を大切にするカルチャーでした。イタリア文化を反映した「Pausa」(パウザ)と呼ばれる休憩が、昼休み以外にも11時と16時に30分ずつ設けられており、チーム全員がリラックスしながら一息つける環境が整っていました。

また、頻繁に行われるチームビルディングイベントでは、同僚たちと食事やアクティビティを通じて深い絆を築くことができました。これにより、仕事のパフォーマンスだけでなく、職場全体におけるコミュニケーションの質も向上しました。リラックスと効率性が両立したこの職場環境は、私にとって特別な学びと成長の場となりました。

新たな視点とスキルの獲得

このスタートアップでの経験は、私にとってデジタル広告やウェブ運営の分野での新たな視点を与えただけでなく、テクノロジーを活用したマーケティング戦略の設計や、グローバルな視野でのデータ分析力を深める貴重な時間となりました。

イタリア文化が色濃く反映された職場環境で学んだ「くつろぎ」と「効率性」のバランス、そして多岐にわたる業務を通じて培った柔軟性は、現在の私のキャリアにも大きな影響を与えています。

日本帰国〜現在:グローバルな視点と個性を活かす新たな挑戦

イタリアから日本へ、新たなキャリアの模索

「イタリアは旅をするには最高!でも長く住むにはやっぱり東京がいい。」

そんな思いが固まり始めた私は、イタリア滞在中に次のキャリアを模索し始めました。選んだのは、外資系のテクノロジー企業。それも、NASDAQに上場したばかりの勢いのある企業です。イタリアで培った「自分の個性を思いっきり発揮する」精神や、テクノロジー業界特有の革新的なカルチャーを持ち続けたいと思ったのが、その選択の大きな理由でした。

コロナ禍という特別な時期に帰国した私は、羽田空港の厳しい検疫を無事に通過し、第2の日本生活をスタート。新しい環境に適応しつつ、イタリアでの経験とグローバルな視野をさらに広げていきました。

多国籍な環境とグローバルな挑戦

最初の会社ではセールスを中心に多岐にわたる業務を担当。その後、現在のアメリカ系テクノロジー企業へと転職しました。現在は、日本のみならずアジアパシフィック地域全体のクライアントを担当し、データから得られるインサイト(=洞察)を提案する、コンサルティングに近い業務を行っています。

日本語と英語を自在に使いこなしながら、グローバルなお客様と向き合う日々は、非常に刺激的でやりがいに満ちたものです。

上司も国際色豊かで、バンコク在住のフランス人やシンガポール在住のシンガポール人といった多国籍なリーダーたちのもとで働く中で、さまざまな価値観を受け入れ、調和を築くスキルをさらに磨きました。この能力は、イタリアで培った「個性を尊重する」価値観が基盤となっています。

自分の個性を活かす職場環境

現在の会社では、イタリアで養った「情熱」と「個性」を存分に発揮できる環境に恵まれています。企業文化として、個々人のスキルアップや自己成長、さらにはワークライフバランスやウェルビーイングに重きを置いており、この姿勢が日々の業務を後押ししてくれています。

特に、テクノロジー業界特有のオープンで柔軟なカルチャーや、革新的な考え方は、私にとって非常に心地よく、自然と仕事へのモチベーションを高めてくれる要因となっています。また、アジアから世界へと視野を広げ、グローバルに活躍するリーダーたちのサポートを受けながら、日々新しい学びと挑戦を積み重ねています。

感謝と未来への貢献

このような環境に感謝しながら、私自身もさらに貢献し、周囲に価値を届ける存在でありたいと思っています。それは、単なる業務の遂行を超えて、チーム全体の成功につながる「つながり」を築くこと。そして、そこに私らしさをしっかりと反映させることを大切にしています。

Another Story:人生の転機がくれた、「つながり」への目覚め

私の人生には、いくつかの大きな転機がありました。その中でも特に忘れられないのが、Benettiに転職して間もなく出会ったウクライナ人の女性との国際結婚、そして日本帰国後に迎えた離婚という経験です。この一連の出来事は、人生の美しさと儚さ、そして深い人間関係の意味を、私自身に問い直す機会となりました。

異なる文化が織り成す「つながり」の喜びと試練

イタリアの石畳の街角、冬のウクライナで感じた家族の温もり、そして日本という文化の中で築いた日常。それぞれが異なる文化や価値観を背景に持ちながらも、私たちは「つながり」を紡ぎました。しかし、どれほど「愛し合っている」「理解し合えている」と信じていても、人は変化を避けることはできません。「離婚してください」と告げられた瞬間、それまで築いてきた世界が音を立てて崩れ落ちるように感じました。絶望の中で、自分自身と深く向き合う日々が始まったのです。

「つながり」を探求する旅へ

その過程で、私は「つながり」という言葉の本当の意味を深く考えるようになりました。何が本当の対話なのか?私たちは本当にお互いを理解していたのか?なぜ「つながり」が失われてしまったのか?なぜ「つながりが失われていたこと」にすら気づけなかったのだろうか?これらの問いが、私の心の奥底に眠る探求心を呼び覚ましました。

「傾聴」の力への目覚め

最も辛い時期、私を救ったのは、ただそばで「話を聞いてくれる」人の存在でした。自分の思いを声に出して言葉にすることで、絡まっていた感情が解け、自然と考えが整理されていく感覚。この体験は、私にとって心を癒すだけでなく、「傾聴」の力に目を向けるきっかけとなりました。

その後、『プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術』や『プロカウンセラーの聞く技術』といった書籍に出会い、傾聴を体系的に学び始めました。そして、実際に傾聴を実践する中で、次のような気づきを得ました。

深いつながりを感じる瞬間

相手の言葉に真摯に耳を傾けると、その背後にある感情や本音が自然と伝わってきます。その瞬間、相手との間に目に見えないつながりが育まれるような感覚を覚えました。

安心感が対話を引き出す

傾聴を通じて、相手が「話しても大丈夫」と感じられる空間が生まれると、自然に言葉が溢れ出していきます。このプロセスが対話を深める鍵だと知りました。

相手が自分の答えを見つける

話を聞いているだけなのに、相手が自分の中にすでに持っている答えに気づき、前に進む力を取り戻していく瞬間に何度も立ち会いました。この時、傾聴は単なるスキルではなく、相手を解放する「贅沢な時間」をもたらすものだと確信しました。

コーチングとの出会い

「傾聴」を深めていく中で、私は働く会社でActive Listening(積極的傾聴)の社内セミナーを開催しました。その際、海外メンバーからこう言われたのです。

「これはまさにコーチングスキルの一部だね。」

その瞬間、何気なく進めていた「傾聴」が、実はコーチングという広大なフィールドへの扉であることに気づかされました。調べていくうちに、コーチングが単なる「聴く」行為を超え、相手の可能性を引き出し、自己理解や目標達成をサポートする奥深いプロセスであることを知りました。

独学でコーチングの手法を学び、実際にクライアントと向き合う中で、私はすでに大きな手応えを感じていました。しかし、本格的に学びを深めることで、さらに自分のスキルを高め、より多くの人々に価値を届けられると確信しました。

「Akiさんがこんな風に関わることで、眠っている才能や意欲を発揮する人がもっと増えたら、本当に素敵ですね。」

このクライアントの言葉は、私の背中を大きく押してくれました。そして、コーチトレーニング機関での本格的な学びへの挑戦が始まりました。

Co-Activeコーチングでの学びと成長

私が選んだのは、世界初のコーチトレーニング機関の一つであり、コーチングのスタンダードを築いてきたCTI(Co-Active Training Institute)のプログラムです。「あり方(Being)」と「行動(Doing)」を融合させ、相手の内側に眠る可能性を引き出すCo-Activeコーチングの哲学に深く共感しました。

CTI基礎〜応用コース(104時間)修了

計104時間のコーチングトレーニングを修了し、国際資格取得に挑戦中です。このプログラムでは、米国CTI認定資格と国際コーチング連盟(ICF)の認定資格の取得を目指しています。学びの旅はコーチングの技術だけでなく、自分自身の可能性や人とのつながり方をさらに深めるものでもあります。

コーチングがもたらす変容の瞬間

コーチングを通じて、私は多くのクライアントが「普段見つめていなかった自分」と出会い、大きな一歩を踏み出す瞬間に立ち会いました。その過程で目の当たりにしたのは、人々が自らの可能性に気づき、未来に向けてエネルギーを解き放つ姿です。

  • 自信を失っていたクライアントが、自分の中にある可能性に気づき、大胆に新しい挑戦に踏み出す姿
  • 長年抱えていたモヤモヤを言語化することで、解決策が自然と浮かび上がり、未来への希望を取り戻す瞬間
  • 忙しい毎日の中で忘れかけていた「本当に大切にしたいもの」を再発見し、それに向かって進む決意をする人たち

これらの瞬間を目の当たりにするたび、私はコーチングが持つ力に感動し、その可能性をさらに広げたいと強く思うのです。

つながりを紡ぐ、その先の未来へ

自分の経験から価値ある情報・インスピレーションをお届けしたい

ありがたいことに、この10年間、さまざまな経験に恵まれてきました。数字で振り返ると、その幅広さが見えてきます。

  • 2回のグローバル転職(&移住)
  • 3つの言語で働く経験(日本語、英語、イタリア語)
  • 3つの国籍の会社(日本、イタリア、アメリカ)
  • 4つの国籍の上司(日本、イタリア、フランス、シンガポール)
  • 4年のイタリア在住経験
  • 5回の転職
  • 5つの業界(国際物流、行政、ヨット、ウェブ媒体、広告テクノロジー)

これらを通じて、全く異なる風土や文化を持つ会社で働き、柔軟な思考と広い視野を培ってきました。大手日系企業や行政から始まり、150年以上の歴史を持つ老舗イタリア企業、さらに若いイタリアスタートアップやアメリカ拠点のテクノロジー企業へとキャリアを展開してきました。

これらの経験を活かしながら、読者やクライアントの皆さんに「価値ある情報」と「人生を豊かにするインスピレーション」をお届けしたいと思っています。それは、特定のジャンルに縛られることはありません。そして、それが記事であれ、講演会であれ、座談会であれ、コーチングであれ、イベントであれ、皆さんが新しい気づきを得る場を作れることが、私にとってこの上ない喜びです。

LEGANZA ビジョン:つながりとエレガンスが生み出す未来

LEGANZAが目指すのは、人と人が深くつながり、その中から新しい可能性が生まれる世界です。ただつながるだけでなく、その瞬間をエレガンスで優しく包み込み、調和と美を提供すること。それがLEGANZAの本質です。

  • 深いつながり:心から安心できる環境で、本音で向き合える絆を育む
  • エレガンス:イタリアの美学にインスパイアされた洗練と個性を纏う場を創造
  • 新しい可能性:対話や関係性を通じて、自分やチーム、組織が持つ潜在力を引き出す

1対1のコーチングや1対多の講演会、さらには文化や美を楽しめるイベントなど、あらゆる形で「つながり」をデザインし、あなたの人生を豊かに彩ります

イタリアンエレガンスを纏った体験を、あなたに

今後は、コーチングや情報発信だけでなく、イタリアンエレガンスの要素を取り入れたイベントや座談会を企画していきます。たとえば、心を開く対話の場、文化的なインスピレーションを得られる体験型ワークショップ、さらにはイタリアの美学を活かした特別な空間作りを目指しています。

  • イタリアの「LEGAME(深いつながり)」と「ELEGANZA(エレガンス)」を軸にした洗練されたイベント
  • 1対1の深いコーチングセッションから、1対多の講演会、みんなで創るワークショップまで
  • 誰もが響きあえる「劇場」のようなつながりの場

これらを通じて、参加された方が心からリフレッシュし、新たな気づきと活力を得られる場を提供したいと考えています。

一緒にLEGANZAプロジェクトを盛り上げませんか?

このビジョンをさらに広げていくために、一緒にLEGANZAプロジェクトを盛り上げてくださる仲間を探しています。「イベントに参加したい」「講演や座談会を企画したい」「コーチングを受けてみたい」など、どんな形でも大歓迎です。

また、私が掲げる「つながり」と「エレガンス」の価値観に共感いただける方や、メディアや出版、文化的な活動に携わる方とのコラボレーションも心から楽しみにしています。LEGANZAのビジョンを一緒に形にしていきましょう。

どうぞよろしくお願いいたします。

Grazie mille!!

LEGANZA 代表

Aki / 清田彬仁

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